アスンシオンカワムラ新聞

パラグアイで整体治療に携わっています。日々思ったことを綴ります。

ウサギ跳びを考える

 

f:id:spqr020220:20200629035428j:plain
Parque Ñu Guasu (サイクリングコース)
 先日A君に「背負い投げをマスターしたいがどうすればよいか」と質問を受けた。ちなみに彼はブラジリアン柔術を稽古している。

 「木にゴムチューブを巻いて打ち込みをすれば良い」と言ったら、それは普段からしているので他にもっと斬新なトレーニングはないかというわけだ。私の本音は「背負いは全くやらないのでアドバイスしようがない。内股を覚えればどうだ(笑)」
 「ではウサギ跳びは」と言いかけたところで、いやあれは膝を傷めるかなと思ったので結局言わなかった。もし妙案が浮かべば連絡するということで別れた。

 ウサギ跳びというと高校時代のシゴキを思い出すが、実は二年生の時からパタッとやらなくなった。1980年だ。というのはその年、唐松秀幸先生が朱雀高校柔道部監督に就任され「ウサギ跳び禁止令」が出されたからである。

 それまでは OB の Y先輩の下、あの「巨人の星」御用達トレーニングを( 将軍様の気まぐれで)させられていたので、毎日道場へ向かう足取りも重かった(泣)。それはさておき。

 このように1980年代には自然淘汰されてしまったトレーニング法だが、果たして本当に怪我するだけで何の効果もなかったのだろうか。

 確かに基礎体力が不足している15歳以下の子供には、オズグッド・シュラッター病をはじめとする様々な成長期スポーツ障害の原因と成るので勧められない。特に足場の固いコンクリート等で行えば目に見えて悪そうである。

 また中高年の場合はどうか。大概の人は関節の動きを滑らかにする滑液の分泌が少なくなり、関節が固くなった状態なので、これも想像するだけで痛々しい。スロースクワットの方が向いているだろう。

 しかし充分身体が出来上がった運動選手であれば問題ない気がするし、深くしゃがみこんで入る背負い投げと直結しそうな動作である。私の経験上脛から下が強くなったのと、何故かアドレナリンが出て闘争心に火がついたような気がする(遠い昔のことなので記憶は曖昧ですが)。

 つまりウサギ跳びはある一定の条件下に於いては効き目のあるトレーニングだと再認識したので、以下の内容をA君に伝えました。

 〈ウサギ跳びのススメ〉
 ①貴君のように常に身体を鍛えているのであれば大丈夫、膝が痛くなければやってみよう。
 ②ジャンピングスクワットも膝を90度以上曲げない点以外は、ウサギ跳びと似ている。両者を併用すると良いかも。
 ③畳やマットの上で行うか、運動靴を履いて行う。裸足でやってガラスの破片等踏みつけると厄介である。
 以上。