アスンシオンカワムラ新聞

パラグアイで整体治療に携わっています。日々思ったことを綴ります。

昨今事情と『パラサイト』を観て

 数週間前からパラグアイでは雨が降らず、あちこちで山火事が発生しており、そのせいでアスンシオンの空気はとても煙っている(9月14日現在)。
 コロナとスモッグでマスク無しでは街を歩けないのだ。最早マスクは下着のパンツやふんどし同様外出時には欠かせない市民権を得たと言える(少し大袈裟かな)。

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 ネットフリックスで『パラサイト 半地下の家族』を観た。2019年アカデミー賞作品賞他4部門を受賞した韓国映画である。
 前半はコメディタッチで進むが、後半歯車が徐々に狂いだしサスペンスホラーの様相を帯びていく。しかも登場人物が揃って狂気を纏っていて思わず目を背けたくなってしまうが、全体のテンポが早く結局最後まで観てしまった。お勧めです。

 さて韓国と言えばソウルに二度行ったことがある。と言っても数時間から数日の滞在だ。
 ソウルオリンピックのスタジアムが建設途中であったから1987年頃だ。シンガポール在住の友人に会いにソウル経由便で行ったのだが、金浦空港(当時)での乗り継ぎが8時間以上あり、空港か航空会社がサービスで行っている市内観光ツアーに参加したのだ。
今となっては演歌歌手桂銀淑に似たガイドさんと南山公園で冷麺を食べたことしか覚えていないが。

 二回目は大阪のある整体専門学校系列の治療院で勉強していた頃、ソウルで行われたM理事長の誕生パーティーに我々スタッフも招待を受け出席した時だ。
 何月だったかは忘れたが1994年の冬でなかったかと思う。とにかく関空を発つときには気温15度だったのが、ソウルに着いたら一気にマイナス15度となり震え上がったものだ。
 バーバリーのトレンチコートもあの極寒には何の役にも立たなかった(泣)。
 ところが同僚と入った街の食堂でチゲ鍋を食べたら途端に汗が吹き出し、食べ終わって店の外に出ても、身体がポカポカして却って寒風が心地よい位だ。激辛韓国料理の神髄に触れた(笑)。

 父方の祖父は山口県防府出身だが、早くに亡くなり、祖父との記憶は余り残っていない。しかし数年前父が私に話したことが、祖父の人柄の一面を改めて思い想像を更に膨らませたことを思い出した。脳裏に焼き付いている。

 「親父(つまり私の祖父)は生家が貧しく幼少期に朝鮮へやらされ(経緯は不明)、物凄く苦労したんや。その時親身になって助けてくれたのは、内地の日本人よりも現地の朝鮮人やった、とよう言うてた」と。うーむ。

 何となく〈常に自分を見失ず、自分の目で見て感じたことをこれからも信じて生きていこう〉と思った日曜日でした。