アスンシオンカワムラ新聞

パラグアイで整体治療に携わっています。日々思ったことを綴ります。

セニョール、ご心配なく!

 パラグアイで整体治療所を構えて25年、今までに接した患者は八千人近い。それこそピンからキリまでというか、ありとあらゆる症状(治療の範囲内で)に向かい合ってきた。もしかしたら天職かも知れない(笑)。

 当然ながらいつも楽しいことばかりではなく嫌なこともあったが、全て引っ括めて今の自分の肥やしになっていると思う。

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Plaza Mburcuyá

 いつだったか治療が終わり、支払いの時点で「お宅の治療費は高すぎるので、ちょっと泣いて(負けて)くれないか」と言われた(泣)。

 その時脳裏を過ったのは以下のこと。この人は治療代が幾らであるか勿論納得済みで治療を受けたのは事実。では何故施術を受ける前に言わず、後から「負けろ」と言い出したのか。もし治療前に言われれば、理由いかんによっては値引きを考慮したかも知れないのに(多分しないけど)。
 それは事前に言うと誠意を込めた治療を受けられなくなると計算したのだろう。つまり〈自分の受け取るものは100パーセント受け取るが、払う分はとことん値切ってやろうという姑息な考え〉を持った後出し人間のようだ。こういう輩とお互い敬意を持った関係を築くのは難しいし、無理して付き合う必要はない。以上。

 私はそう簡単にキレる方ではないが、この糞野郎には簡単にキレてしまった(笑)。

 「セニョール、ご心配なく。あなたに限り一銭も払わなくて結構です。但し二度と当治療所へ来ないで下さい。それとあなたの肉親や一族郎党は私は今後一切診ませんので」と言ったのだ。

 何か右頬をしばかれて反射的に二、三 発しばき返したような感じだが、もし安易な妥協をしてこういう寄生虫と関係を持ち続けると、又同類の二号、三号が近寄ってくることになり、延いてはこちらの仕事のモチベーション低下に繋がる、更には自分の人生にも悪影響を及ぼす、と何の利点もない。

 脳の腐った奴には毅然とした態度でスパッと接触を断ち切るのが良い。国際外交同様舐められっぱなしではやっていけないのである。
 「朱に交われば赤くなる」という考えは世界共通のようでスペイン語にも "Dime con quién andas y te diré quién eres" (誰と付き合っているか言ってごらん。君が誰かを言ってあげよう)ということわざがある。

 ここぞという時に思いきった行動や発言をすることを躊躇ってはいけないと思う。そういう決断を迫られた瞬間に一か八かでもいいからガツンと踏み込んだ方が、後々の人生に大概プラスに働く。読者諸賢も機会があれば試してみよう(但し自己責任で頼みます)。

 もう五十代後半になると嫌な野郎には無視されようが嫌われようが、一向に気にならなくなった。長州力ではないがキレてないですよ(笑)。