アスンシオンカワムラ新聞

パラグアイで整体治療に携わっています。日々思ったことを綴ります。

南米の肉料理に一家言あり

 先日の誕生日に家族でシュラスケリア「Acuarela(アクアレラ) 」へ行った。
 シュラスコとは鉄串に牛肉や豚肉、鶏肉を刺し通し、塩をふって炭火でじっくり焼くブラジル式料理で、それを提供する店をシュラスケリアという。バイキング形式である。近年アスンシオンでも数多く見かけるようになった。

 今回訪れた店は昔パラグアイに初めて来た当時、前任の水口さんに連れてきてもらったことがあった。食べ放題と言われたので、少し驚かせてやれと無理して七皿食べたら、店の連中も呆れ返っていたっけ。1989年のことだ。
 帰り際に「ブラボー、マエストロ」とマネージャーにサインを求められた。ルチャ・リブレかスモウ関係に間違えられたのかも知れない(笑)。

 コロナ禍で以前と変わった点は、
①テーブルに座っている時以外はマスク着用が義務づけられている。
②本来は次から次へとウエイターが串に刺した肉塊を各テーブルに持ってくるシステムなのだが、今は自分で肉を焼いているところまで取りに行かなければならない。
③入店時は手洗いと体温測定が必須である。
 
 小生どちらかというとシュラスコよりもアサードの方が好きなので、ここ暫くはシュラスケリアからは足が遠のいていたが、久しぶりに楽しい一時を過ごすことが出来た。そう言えばコロナ以降初めての外食でもあった。有難う。

 アサードも極めてシンプルな調理法(味付けは塩のみ、炭火でじっくり焼くだけ)によって、その肉が持つ本来の旨味を最大限に引き出すのだ。その無駄をとことん省いた手法には禅の美学さえ感じさせる(笑)。

 そしてパラグアイの牛肉の旨さはアルゼンチンと並び世界でも上位に位置すると思う。思えば30数年前は、とにかく異常に固くてびっくりしたものだが、最近はとても良くなった。

 勿論松阪牛も旨いが、炭火でじっくり焼く分には南米牛に軍配が上がる。しゃぶしゃぶやすき焼きであれば和牛だろうが。

f:id:spqr020220:20201102043251j:plain
ある日の昼食

 参考までに王道の攻めパターンを紹介すると、
 先鋒はビッフェ・デ・チョリソ(サーロインステーキ)。もし初っ端のこれが合格点であれば、その後出される肉も大いに期待が持てそうだ。500グラム位ペロッと食べられるのは、和牛の霜降りと違い脂身がなく案外あっさりしているからだ。

 次鋒コスティージャ(スペアリブ)。これは当たり外れの波があり、固いのにあたると泣きたくなる。だが柔らかくジューシーなやつに遭遇すると、もう向かうところ敵無しである。
 日本人が南米サッカーに勝ちたければ、もっと肉を食えと言ったジーコの発言もさもありなんと思う(泣)。京風懐石料理より数倍力が出そうだ。

 中堅クッピン(コブ牛のコブ)。脂肪の塊であるが、柔らかくホクホクして旨い。食べながら顎を休めることが出来る。
 焼きパイナップル、鶏の心臓(ハツ)と並んでシュラスコの定番である。

 副将、大将は・・・気分や体調と相談して自分の好きなモノを食べよう。

 以上