南米の中央に位置するパラグアイの気候は亜熱帯性で、夏(11月~3月)はとても蒸し暑い。
その為在宅時は裸でいる事が多い(勿論上半身のみ)が、ある時開襟シャツを羽織っている方が、かえって暑さが和らぐことに気づいた。
それ以来開襟シャツ党となった。中東諸国の男性があの白い民族衣装を着ている理由もそうかも知れないが、案外身体に何か一枚纏う方が、暑い時はかえって過ごしやすいのだ。
先日服を買いに行った。店構えが高級そうだったので少し気後れしたが、「たかがシャツ一着、どうということはないだろう。気に入らなければ買わなければ良いだけだ」と自分に言い聞かせていざ突入。
私の〈失敗しない服の買い方三原則〉は
①客が混んでいない店。
②女性店員のアドバイスを求める。
③最後の最後まで値札を見ない。
である。
①は客が多いと、その動向に気を取られるし、何故か分からぬが意味のないライバル心を抱いたりして、別に欲しくもない物を買ってしまい、後で後悔することがしばしばあったからだ。
②は女性に「こちらの服よりそちらの方が似合いますよ」と言われると「やはりそうか」と素直に信じてしまう。同じことを男性に言われても、「こいつ俺に金を使わせようと心にもないことを言いやがって」と思わないでもない(同性諸君、失礼)。
③は買う前に値段を知ると、買うのを止めようかと躊躇することがあるが、レジで初めて代金を言われれば、すっと買わざるを得ない。それで出費が思いの外多かった時は、二三日うじうじ悩むことになるが、まあ大概の服は三年も着ると、充分元が取れるものだ。
それでシャツ購入の件はどうなったかと言うと、上記三原則を順守して満足の行く買い物が出来た。
勘定の段で店員さんが領収書を書きながら、私の名前の意味を聞いてくる。これは異国で尋ねられる定番の質問なので、任しとき!
"真"は事実や真理で、"作"は創造するとか行うという意味で、「ほらご覧の通り、名は体を表しているでしょう?」と説明すると、「ケ、リンド!(素晴らしい)。私に子供が出来たらシンサクと名付けたいわ」と言われた。
有難う、お嬢さん。お世辞でも嬉しいよ。
閑話休題、南米は多くの国が移民によって成立した歴史を持ち、「人種のるつぼ」状態だなと肌で感じる事が、普段から何気なくある。他の地域に比べると人種間の壁をそれほど感じない(全く無い訳ではないが)。
一昨年イタリアとスペインを訪れた時も、典型的な南欧人以外の人が多く暮らしているのを見て、さしずめこれは「人種のモザイク」と言うやつかと思った。
近年東京や大阪などの都会は言わずもがな、日本の田舎でもコンビニや様々な職場で、外国人従業員を見かける事が多い。
胸に付けた名札から、ああこの人はベトナム人かなとか、中南米の人だなと想像する。
是非読者諸賢も、彼ら外国人に名前の意味や由来を尋ねてみるとよいと思う。きっと会話が弾んで、喜んで答えてくれる筈である(偏屈野郎であった場合は保証の限りなし)。
但し仕事が忙しそうな時は止めておこう。