アスンシオンカワムラ新聞

パラグアイで整体治療に携わっています。日々思ったことを綴ります。

川内高城(せんだいたき)温泉

2023年は正月二日から、意欲的に仕事に打ち込んだ。

連日40度近いパラグアイの猛暑の中、それほど疲れを感じることなく、施療に専念できた要因のひとつは、昨年度末に日本を訪れた際、湯治をしたからだと思う。


〈関節痛によく効く秘湯〉というテーマでネット探索していたら、あっこれだという場所を見つけたので、早速鹿児島の川内高城(せんだいたき)温泉へ行った。

アブノーマルな構図ではありません

当日の宿はまだ決めていなかったから、駅前の公衆電話から電話すると、一軒目は「今日は満室」とすげなく断られた。二軒目は不通だった。三軒目も電話の応答なし。

駅の案内所でもらった観光パンフレットには温泉宿の電話番号がその三軒しか記載されていなかったので、さてどうするか。
やはり前もってスマホで予約すべきだったかなと思ったが、いや宿が取れなければ取れないで、別に野垂れ死にする訳でもなし、何とかなるわと気持ちを切り替え、タクシーで現地へ向かったのだ。
「お客さん、どちらから ?」「パラグアイから」「ほー遠か所から来たね」「うむ確かに(笑)」。


薩摩川内駅から車で2~30分山奥へ入った所に、その温泉はあった。
電話が繋がらなかった件の宿に行くと、「ああ、先ほど電話をかけてもろうたのは、お宅さんでしたか」と言われた。
おばさんいはくタッチの差で呼び出し音が切れたとか。はっはっは。

「三日ほど泊まりたいのですが」というと、「素泊まりでよければ」とのこと。
実は小生自炊するのが億劫だが、この集落内には酒屋と駄菓子屋があるそうなので、食料はそこで調達すればいいだろう。よしOK。


さて実際この温泉宿に泊まって、気にいった点は、
①泉質の良さ
②人の少なさ
である。

①は湯平(大分県)、温泉津(島根県)、湯田(山口県)等の有名温泉と比べて、何ら遜色がないどころか、はるかに凌駕している。
すぐ近くまで迫る山並みを見ながら、硫黄臭をたっぷり含んだ、トロリとした肌触りの湯に浸かる。あの西郷さんの疑似体験をしているかと思うと、感慨深い(輝彦ではなく隆盛の方、念のため)。
おかげさまで慢性的な指のこわばりやあちこちの関節痛が、すっかり良くなった。

②はポツポツとやって来る温泉利用者は、ほぼ95%地元の人である。湯布院や黒川のように観光客やミーハーの集団が、ものの見事にいなかったので、心底ほっこりできた。
元々温泉とは、地域共同体の人々の疲れを癒す場であっただろうことを考えると、川内高城温泉は由緒正しい温泉の在り方を今日まで引き継いでいる、偉い!と言えなくもない。

頑張れ ! 川内高城温泉 !

高城温泉のメインストリート