アスンシオンカワムラ新聞

パラグアイで整体治療に携わっています。日々思ったことを綴ります。

2020-01-01から1年間の記事一覧

岡野先生の小内刈 (追記ご挨拶)

あれは天理で行われた柔道錬成合宿に、我が朱雀高校も参加した時のことだから、もう40年前になる。高校二年の夏だった。 道場に足を踏み入れると耳の潰れたスキンヘッド(五厘刈)達がごろごろしていた。即座にこれは普段の柔道仲間とは、明らかに異なる別次元…

股関節体験記(上) 17―03―2020

2020年3月17日に投稿した文章ですが、知らずにゴミ箱に入れたようで消えてしまいました。そこで(少しだけ修正して)再投稿しました。勿論二度読み返す価値はあり○○○。 2017年6月14日、右股関節の手術を受けた。 正確には全人工股関節置換術(THA Total Hip Art…

何故整体師になったのか(思想編)

今だから白状するが「骨をボキボキ鳴らした位で痛みが治るとは、プラシーボ効果ではないか。鰯の頭も信心からと言うあれかな」とカイロプラクティックに少し偏見を抱いていたのだ。 「骨格を矯正するから治るのではなく、矯正はあくまでもその患者の自然治癒…

何故整体師になったのか

パラグアイのアスンシオンで、整体治療に携わり25年以上経つ。 そもそもこの仕事を志したきっかけは、20代後半パラグアイに住もうと決めたので、それでは何か手に職をつけなければと色々考えた末選んだものだ。 先ずサラリーマンは没。組織の一員としてチー…

もっと相手を認めよう

パラグアイでは11月末からマスク着用を義務づける法令が施行された。 どうやらコロナの勢いはとどまる所を知らず、外出時にマスク無しだと罰金を取られるようになってしまった(泣)。 Sendero al lado del P. Ñu Guazú para biciclos 『 生とは、死とは』とい…

太平洋横断航海記

船で北米へ行ったことがある。 当時勤めていた海運会社に「乗船研修」という制度があったのだ。 その趣旨は現場の船舶運航を体験することにより、会社組織の一員としての意識を高めるとか云々。 だが当の本人は研修とは言え船に乗ってアメリカへ行けるのは楽…

施しについて考える

信号待ちでお金の無心をする人を見かけることがある。人々がどう反応するか見ると、四人に一人の割合で小銭か何がしかを与えている。 その一方であからさまに前方を向いてシカトしたままという人もいる。殆どの人は首を横に振り NO と言っているようだ。関わ…

南米の肉料理に一家言あり

先日の誕生日に家族でシュラスケリア「Acuarela(アクアレラ) 」へ行った。 シュラスコとは鉄串に牛肉や豚肉、鶏肉を刺し通し、塩をふって炭火でじっくり焼くブラジル式料理で、それを提供する店をシュラスケリアという。バイキング形式である。近年アスンシ…

足を鍛えよう

「健康を保つ為に何をすれば良いか」 全ての人に当てはまる解決法はないが、一般的には足を鍛えるのが良いと思う。 よく人を観察すると年齢に関わらず健康な人は足腰の丈夫な人が多い。怪我や病気で歩けなくなると、一気に体力が低下するのは誰しも経験済み…

バス(コレクティーボ)の思い出

Avda. Autopista Silvio Pettirossi アスンシオン市内を走るバスを、当地ではコレクティーボ若しくは(オムニ)ブスと言う。近頃はバスに乗ることも滅多になくなったが、若かった頃はよく乗ったものだ。 日本であれば絶対に車検を通らない代物だが、まだ現役で…

少し黙ってもらえませんか

今月第一日曜日から夏時間(サマータイム)になったので、時計の針を一時間進めた。パラグアイと日本の時差は十二時間である。 下院議会で今回の時間変更を最後にこれを標準時とする法案が通過した。上院でもこの法案が可決されれば時計の針を半年毎に進めたり…

ボリビアでストップオーバー(途中降機)

2008年8月ペルーのマチュピチュへ行った時のこと。飛行機の乗り継ぎでボリビアのサンタクルスで一泊することとなった。 アスンシオンからサンタクルス迄約一時間半のフライトである。 夜遅くサンタクルス・ビルビル国際空港に着き、税関の張り紙を見ると「○…

セニョール、ご心配なく!

パラグアイで整体治療所を構えて25年、今までに接した患者は八千人近い。それこそピンからキリまでというか、ありとあらゆる症状(治療の範囲内で)に向かい合ってきた。もしかしたら天職かも知れない(笑)。 当然ながらいつも楽しいことばかりではなく嫌なこと…

昨今事情と『パラサイト』を観て

数週間前からパラグアイでは雨が降らず、あちこちで山火事が発生しており、そのせいでアスンシオンの空気はとても煙っている(9月14日現在)。 コロナとスモッグでマスク無しでは街を歩けないのだ。最早マスクは下着のパンツやふんどし同様外出時には欠かせな…

当国運転事情

一昨日車を修理工場に出した。長い間乗っているうちにぶつけたり、ぶつけられたりであちこち凹みキズがあり、前から修理に出そうと思っていたのだ。さて。 1993年2月京都川端二条で、いかにもそれらしい感じのベンツにぶつけたことがあった。その日は朝から…

朝の散歩で感じたこと

Cancha del CURDA 一昨日息子(19歳)から朝トレを一緒にしないかと言われたので「よし」と条件反射的に答えた。長期化するコロナ禍で生活リズムが単調になったからか退屈を持て余していたので気分転換に良いと考えたのだ。 して翌日の早朝、眠たい眼を擦りな…

記憶とはあいまいなもの

子供の頃鶏を絞める場面を興味津々で見ていた。近所のおっさんが鉈で首を刎ねると、その胴体だけがこちらに向かって駆けてきた。そして私の周囲をぐるぐる廻りだし3、4周目にバタッと事切れた。と同時に前方を見ると血まみれの頭が嘴をパクパクさせていた。 …

栗村曜似先生

南半球に位置するパラグアイは現在冬である。日中は気温が30度以上になるが、湿度が低いのと朝夕は涼しいので過ごしやすい。 Avda. Autopista Silvio Pettirossi さて3月半ばから息子(19歳)と始めた自宅トレーニングが昨日で70回目となった。元々コロナ禍で…

首の痛みを考えた

「頚の痛みや頚から放散する上肢の筋骨格系の原因として主に3つあげられる。即ち外傷・姿勢・緊張である」『軟部組織の痛みと機能障害』より その他にも炎症性の関節症や骨折、転移巣などもあるが、これらは専門医へ行き適切な処置を受ける必要があるので考…

ある恩人について

7月に入り仕事も少しずつ回復してきたが、依然としてコロナは終わりそうにない。それどころか外出規制が緩和され皆気も緩んだのか(泣)、どんどん感染者数は増える一方である。 専門家諸氏は様々な意見を述べるが、結局のところ前代未聞の出来事なので、誰も…

ブエノスディアス

Avda. Autopista Silvio Pettirossi 良好な人間関係を築く上で最も大切なことは、気持ちを込めた挨拶を交わすことだと思う。 つまり相手の目をしっかり見て「ブエノスディアス」と言い、がっちり握手する事である(昨今はコロナのせいで握手も命懸けですが)。…

情けは人の為ならず

『情けは人の為ならず』 このことわざを最近は「人に情けをかけて助けることはその人のためにならない」と解釈する人が多いが、私が信条としているのは、本来の意味の方である。 10年程前になるが、税金を納めに市役所へ行った。いざ支払う段になって小銭の…

ウサギ跳びを考える

Parque Ñu Guasu (サイクリングコース) 先日A君に「背負い投げをマスターしたいがどうすればよいか」と質問を受けた。ちなみに彼はブラジリアン柔術を稽古している。 「木にゴムチューブを巻いて打ち込みをすれば良い」と言ったら、それは普段からしているの…

手技療法の選び方

写真と本文は直接関係ありません (漓江下り1986年) 「オステオパシーとカイロプラクティックではどちらが効くのですか」 共に19世紀後半北米で考案された手技療法である。ロバート・フルフォード博士の『いのちの輝き』によると「オステオパシーの源流は日本…

武漢好日(こうじつ)

「自分の育った国の法律や論理や常識がまったく通用しない不条理な世界。本来、異国とはそういったもののはずだった」(沢木耕太郎) 1986年大学卒業前に友人三名と中国へ行った。当時中国政府の開放政策で少しずつ本土内陸部へも外国人が旅行できるようになり…

雑感

写真と本文は関係ありません( Av Primer Presidente ) 私の治療のモットーは「症状に最も適した療法を用いて患者の痛みを取り除くこと」なので、問診は重要視している。その目的は「痛みの原因を把握し、その症状が整体治療の範囲内かどうかを見極めること」…

コロナの現状に思うこと

Parque Guasu ( グアス公園 ) ここ数日アスンシオンは晴天続きだ。一年のうちでもこの季節はとても過ごしやすい。そこで足腰の鍛練と気晴らしを兼ねてParque Guasu(グアス公園)へ行った。2週間前は「散歩はOKだが自転車は駄目」と言われたが、今日は「自転車…

シンクロニシティ

カプリ島から海を臨む(写真と本文は関係ありません)。 昨日新規の患者さんが来た。仮にNさんとしておきましょう。ブエノスアイレス訛りのある彼は私のことを前から知っていると言う。治療予約の電話をかけた際、私の名前を聞いて気づいたそうだ。 アスンシオ…

詐欺に引っ掛からない法

開業したての頃、セールスウーマンが来たことがある。紺のスーツスカートをピチッと着こなした30歳ぐらいの女性だった。 彼女の言うには「医療関係者による『組合』を作っているので加入しませんか。ガイドブックに名前を載せると貴治療院の宣伝になるし、メ…

昨今事情と『夢酔独言』

昨日今日と朝方めっきり寒くなったので、遂に物置からストーブを引っ張り出した。ほんの三日前まで最高気温が37度あったのに、今朝は7度を切っているという具合で自律神経がおかしくなりそうだ。 勿論このまま一気に寒くなるのでなく、又暑くなったり寒くな…