アスンシオンカワムラ新聞

パラグアイで整体治療に携わっています。日々思ったことを綴ります。

股関節体験記(上) 17―03―2020

 2020年3月17日に投稿した文章ですが、知らずにゴミ箱に入れたようで消えてしまいました。そこで(少しだけ修正して)再投稿しました。勿論二度読み返す価値はあり○○○。


 2017年6月14日、右股関節の手術を受けた。
 正確には全人工股関節置換術(THA Total Hip Arthroplasty )という。当時54歳、入院して手術するのは生まれて初めての経験である。
 ところで何時から痛くなったのかはよく覚えていない。
 高校時代先輩の強引な払い巻き込みにやられ脚を捻り、暫くびっこを引いていたことがあった。その後大学柔道部の稽古中でも半年ごとに股関節付近に不快感を覚えた。具体的に言うと股関節がボコッと外れそう(な気)になり、洋式便器に腰掛けると膝の長さが3~4センチ違う。悪い方が長くなるのだ。それが2~3日すると又元の鞘に収まるというか何も感じなくなる。と同時に膝の長さも揃っている。
 
 その後20代から40代まで特に痛みを感じることもなく普通に生活していた。日記を読み返してみると2012年頃から「股関節が痛い」という箇所が頻繁に出始める。ということは40代後半からか。初めは痛みの周期が間欠的で程度も軽かったが、時を追うごとに悪化してきた。つまり手術を決心するまでに少なくとも5年以上は痛みと共存してきたことになる。

 その間勿論医者へ通った。レントゲンによると骨盤臼と大腿骨頭の間が狭くなっていて軟骨がすり減っている。所謂変形性関節症というやつだ。「手術は最終的な手段なのでそこへ辿り着くまでに体重を減らすなり、ストレッチをするなり色々試してみてはどうでしょう」と言われた。そこであらゆることを試みた。
 ①ヒアルロン酸を三回に分け患部に注入。確かに少し股関節の可動性は広がったが、歩くとやはり痛む。
 ②マリファナ(大麻)服用。痛みが和らぐので追加注文しようとしたら、売人が警察に挙げられオジャン(笑)。〈注〉2017年パラグアイでは大麻の医療的使用が合法化する。
 ③ピラティス、水泳、鍼、オステオパシー、カイロプラクティックも試みた。各々それなりの効果はあるのだが、根本的に何か違うなという思いが拭えない。

 知人は私の歩き方を見て「脚が痛いのか」と尋ねる。う~ん、そうだとも言えるしそうでもないとも言える。
 つまり足を引きずって歩くと、痛みを感じないフォームを身体が自然と採っているので、痛みは少ないがちょっと格好悪い。反対に身体を歪めずに普通に歩こうとすると、患部に余計な捻りがかかり痛みが走るのだ。

 とにかくこの頃は人生の暗黒時代だった。
 以下続く。