アスンシオンカワムラ新聞

パラグアイで整体治療に携わっています。日々思ったことを綴ります。

股関節体験記(下)

 2017年6月14日午前8時、Migone病院手術室に入ってからは全身麻酔のせいでよく覚えていない。
 昼すぎ「手術は上手く行った」と先生に伝えられた。

 ところがその夜麻酔が切れだした頃から異様な激痛が襲ってきた。
 もし刀で斬りつけられ骨をゴリゴリ刻まれたらこんな風だろうという痛みだ(あくまで想像だが案外当たっていると思う)。

 カジッソ先生曰く「これからも暫く痛みは続く。大がかりな手術だったからね。よく効く鎮痛剤もあるが、強過ぎて胃を壊す。だからこれは勧めたくない」
 「先生、そんなこと言わずに薬を出して下さい。この際胃はどっちでもいいじゃないですか」と必死に訴え、その効く薬を処方してもらった(笑)。

 入院は二日間だけだった。病室のベッドにじっとしているのが退屈で我慢できなかったので、一筆サインして家へ帰った(自分の意思で退院するので、その後何ら不都合が起きても病院には一切クレームをつけませんと)。

 翌日からリハビリを開始した。歩行噐を使って歩く練習や筋力回復トレーニングをするのだが、痛みが終始脚全体に纏り付き中々思うようにいかない。

 では転換期は何時からだったかと言うと、hidroterapia(ハイドロセラピー)を開始してからだ。プールの中で行うリハビリトレーニングとでも言おうか。
 先生の提案で術後2週間目からスタートした。シャキーラに似た療法士の指導のもと、俄然やる気が起こりリハビリに打ち込めたのだ(笑)。漸く追い風が吹いてきた。

 少しずつ松葉杖を使ってだが確実にそして痛みなく歩けるようになった。20回通ったが、2ヶ月後にはスポーツジムで筋トレを再開できるまでになった。

 さてあれから三年経つ。有難いことに日常生活では、全く痛みなしで暮らしている。流石に柔道の乱取りはちょっと怖いのでやらないが。

 最後に妻、子供たち、Dr.Callizo、Lic.Sabrinaはじめ全ての医療スタッフの方々、お見舞いを頂いた友人の皆さんにこの紙面を借り重ねて御礼申し上げます。
その節は本当にありがとうございました。
 (了)

 追記)
①股関節痛でも患部が他動的な力で動く限り、鍼灸や手技療法を試みると良いと思う。身体の歪みや骨盤の捻りが原因となり二次的に股関節障害を起こしている場合もあるからだ。しかし骨の変形等が原因で、関節可動性が著しく制限されている場合は上記の治療法ではなかなか難しいというのが実感である。

②カジッソ先生は今とても忙しく「外国からの患者を看る余裕はない」とのこと。相変わらず愛想のない男だ。