「健康を保つ為に何をすれば良いか」
全ての人に当てはまる解決法はないが、一般的には足を鍛えるのが良いと思う。
よく人を観察すると年齢に関わらず健康な人は足腰の丈夫な人が多い。怪我や病気で歩けなくなると、一気に体力が低下するのは誰しも経験済みである。
当治療所へ来る患者の中には近所のキオスクへ煙草を買いに行くのも車で行くと嘯く人もいる。歩くのが嫌で自動車に頼りきった生活をしている。
決して彼を庇う訳ではないが、アスンシオンならでは事情もある。そもそも大抵の道が石を敷き詰めて造ってあり表面の凹凸も激しいので、歩きにくいのである(写真参照)。
注意して歩かないと足をぐねる。
それに加えて排気ガスで空気が悪い、夏は朝から異様に暑い、夜は治安が悪くて心配だ、といくらでも障害を挙げることが出来る(泣)。
こんなコンディションでも尚街を歩くのが好きだと言う人がいればマゾである。
つまり歩こうと思えば、然るべき公園やスポーツジムまで、自動車等の交通手段を使って行かなければならない。これが面倒くさい。アスンシオンでは。
だがそれらの困難を差し引いても、歩くことで健康面に様々なメリットがある事は読者諸賢も十分承知であろう。
①散歩が好きであれば歩こう。汗ばむ程度歩くだけでも効果がある。何分以上歩かなければいけないとか、週に何回やらなければ意味がないとか、余り自分を追い込まずに気楽にやるのが長続きの秘訣かも。
②散歩が嫌いな人はスクワットや自転車等の有酸素運動もよし。膝や股関節が痛くて通常のスクワットが出来なければ、ピラティスボールを背中と壁に挟んでもたれ掛かるように屈伸をすると痛みを感じない。
③そもそも足が痛い人は治療に専念しよう。もし医師の説明に納得がいかなければ、他の医師にも相談してセカンド・オピニオンを求めるとよい。そして自分なりの結論を出し腹を括るしかない。
アスンシオンから東へ54キロ離れたところにある町カアクペには、パラグアイのカトリック信仰の総本山であるカアクペの聖母を納める大聖堂がある。
毎年12月8日に熱心な信者が全国から歩いて巡礼するので有名だ。
昔同じ長屋の下宿人サラさんにカアクペまで歩かないかと誘われた。彼女は地方から首都へ勉強しに出て来た学生である。
何故彼氏と行かないのかと聞くと、彼は歩くのが嫌いだからだとか(笑)。
そんなん知らんがなと思ったが、まあ話のタネに行ってみようと考え改めた。
だが冷静に考えると50キロ遠足はちょっと無謀だったなと後悔していたら、当日彼女の体調が悪くなり最終地までバスを使って行こうと言われたのだ。内心ホッとした(笑)。
バスで正味一時間、大聖堂を拝観した後、街角で湧き水を見つけ頭から水を被って気持ち良かったことや、広場に面した食堂でボリボリ(注)とエンパナーダ(ミートパイ)を食べたことを覚えている。旨かった。
(注)とうもろこしの粉とパラグアイのチーズを練って団子にしたもので、スープに浮かんでいる。