アスンシオンカワムラ新聞

パラグアイで整体治療に携わっています。日々思ったことを綴ります。

首の痛みを考えた

 「頚の痛みや頚から放散する上肢の筋骨格系の原因として主に3つあげられる。即ち外傷・姿勢・緊張である」『軟部組織の痛みと機能障害』より

 その他にも炎症性の関節症や骨折、転移巣などもあるが、これらは専門医へ行き適切な処置を受ける必要があるので考察対象から外そう。
 筋骨格系からくる頚痛の患者は大概首周りの筋肉がガチガチに硬くなっている。長期間にわたる姿勢の悪さと緊張が、本来弾性を持つ筋肉を柔軟性の失った古ゴムのように変化させてしまうのだ。ここまで悪化すると治すのも厄介だが、具体的にどうすればよいのだろうか。

①先ず姿勢を改善する。

 「少し骨盤を前傾させて座る」とよい。つまり「恥骨(生殖器の上にある骨)を出来るだけ床に近づける」感じである。
 もっと分かりやすく言うと「意識して睾丸の裏を椅子につけるように腰掛けて、胸骨(胸の間にある骨)を少し持ち上げる」か。堂々と乗馬しているイメージに近い。
 しかし姿勢を改善しても痛みが取れないという人はいる。緊張が解けずリラックス出来ないようだ。

②次は呼吸に意識を向ける。

 それは何故か? 腹腔、横隔膜、肋間筋等の主呼吸筋群が動くような深い呼吸をすると、首の左右にある胸鎖乳突筋を始めとする呼吸補助筋の負担は軽くなるが、もし浅い呼吸が続くとその呼吸補助筋だけが無意識に休むことなく働く状態となり、疲労が積み重なり遂に痛みに直結するといわれている。
 成る程そうかも知れない。そして緊張の解けない人は押し並べて呼吸が浅いのだ。
 その為には「腹腔、横隔膜、肋間筋を自分で意識して呼吸したり」「寝ている赤ん坊の呼吸を観察しそれを真似する」と良いだろう。
 深呼吸が自律神経失調を整え痛みを緩和することは立証済みなので、読者諸賢も色々試して自分流の呼吸法を見つけよう。

③鍛える。

 柔道家やレスラーで首の痛みを訴える人は余り聞かないように(但し外傷は除く)、ブリッジ等で首周りを鍛えるのも効果がある。だが今までこういうトレーニングをしたことのない人が急に始めると「年寄りの冷や水」でかえって悪化する可能性もあるので、要注意。You Tube を参考にストレッチから始めればよいのでは。

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Avda. Autopista Silvio Pettirossi

 と思い付くまま書いたが、結局は痛みの原因は脳(若しくはストレスと言うか)の為す業かも知れない。何やそれは(笑)。

 仮に一億円の宝くじに当選したら、長年悩まされ続けた貴方の首(や肩や腰も)の痛みなど即刻消えてしまうし(裏付けはありません)、昔気質の職人で日がな一日背中を丸めて仕事している人の中にも、ストレスなく首の痛みとは全く無関係に生きているという実例は幾らでもありそうだ。

 『病は気から』言い得て妙である。