2015年12月メキシコ・カンクンへ行った。「オールインクルーシブ9泊10日」というパッケージツアーである。
ホテル内に8ヶ所あるレストラン(メキシコ、中華、フランス、パスタ、海鮮、バーベキューの各料理他)や各階に設けられたハンバーガーや軽食コーナーでの飲食は全て旅行代金に含まれていたので、家族一同気合いを込めて特権を行使したものだ。
日頃の節制は ? まあ十日間の命の洗濯ということで、少々羽目を外してもいいだろう。
ホテルの後ろにプライベートビーチがあったが、高波で波打ち際からほんの5メートル海へ入っても、まともに立っていられなかった。仁王立ちで踏ん張ると、最高の体幹強化トレーニングだ。
浜辺で寝転がっていると、ホテルスタッフに飲み物を勧められ「ではテキーラとモヒートを」「はい、かしこまりました」という泣きたくなるような嬉しいサービスを頻繁に受けるのだが、元来小生出自が平民のせいか、これはやはり心付けを渡した方が良いのでは、と変に気を使ってしまった。
兎に角食べたい時に食べ、飲みたい時に飲み、腹ごなしにジムで汗を流し、それ以外の時間はプールやビーチでごろごろする。
"天国よいとこ一度はおいで~酒はうまいし~ねえちゃんはきれいだ~"(ザ・フォーク・クルセダーズ『帰ってきたヨッパライ』)と思わず口ずさみそうである。
沖合いにあるイスラ・ムヘーレス(直訳すると[女島]だが、ごく普通の長閑な漁村だ)まで行くと、沖縄の海に勝るとも劣らない綺麗な珊瑚礁があり、水の透明度が明らかに違う。
暫くその光景に見とれて、ああこの海を見るだけでもここへ来た甲斐があったなと思った。
このようにカンクンでは十二分に英気を養うことが出来た。が今でもはっきり覚えているのは、不労所得を得た以下の出来事である。
旅行出発前にある両替屋のホームページを見ていたら、メキシコペソをパラグアイグアラニーにカンビオ(両替)する際の換算レートが450だった。他の金融機関では350から380といったところだったが、どういう訳かその店だけレートが良すぎたので、何故だろうと思った。
早速シミュレーションをしてみると
①50,000,000グアラニーを銀行から下ろしてパラグアイ国内で米ドルに替えると(÷5850で)と8,547ドルになる。
②それをメキシコでペソに替えると(×16で) 136,752ペソ。
③そのペソをパラグアイでグアラニーに戻すと(×450で) 61,538,400グアラニー。
注)2015年12月当時のレートである。
つまり上記の手続きを踏めば額に汗かくことなく11,538,400グアラニー(1,972ドル)増えることになる。
どこか落とし穴はないかと何回もチェックしたが、流石にこれは間違いようがない。
「世の中うまい話などないものだ。きっと痛い目に合うだろう。このカンビオ作戦は止めとこう」と物事をやる前から、何故しないかという言い訳を掲げる『酸っぱい葡萄』のキツネ的思考がチラチラ脳裏に浮かぶが、冷静に考えれば別に法律違反しているわけでも、誰かを騙して傷つけているわけでもない。
規模は小さいが正当な為替取引である。よしんば思惑通りに行かなくても、生死に関わる問題ではない。バーモス !
賽は投げられた。
カンクンからアスンシオンへ戻り、計画通り両替したメキシコペソを抱えて、早速件の両替屋へ行った。ペソからグアラニーへの交換レートが依然450で動きなしということは、既に調べてある。
結果·····シミューレーション通りの展開となった。ありがとう。
カンクンは素晴らしい所だった。コロナワクチンも二度接種したことだし、又訪れてみたいものだ。もう柳の下にどじょうは居ないだろうけど。