アスンシオンカワムラ新聞

パラグアイで整体治療に携わっています。日々思ったことを綴ります。

この六週間を顧みて決意を新たに「我が道をゆく」

 パラグアイで外出制限が出されてから既に6週間経つ。

 先ず3月11日全国の学校が、一斉休校となった。その後あらゆる商業活動がストップしていった(スーパー、薬局、病院、銀行等を除く)。
 握手やキスの挨拶は無くなり、肘と肘を当てる(志村けんのアイーンのような)間抜けな儀式に取って変わった。
 テレレは今や一人で飲むものだ(冷たいマテ茶を皆で廻し飲むパラグアイの習慣)。
 飲食店も軒並み閉まり、デリバリーサービスだけが、街を忙しそうに駆け巡っている。
 外出時にはマスク着用が義務付けられた。
 公共の建物に入る際は、手洗いと体温チェックがある。人と人との間隔も空けなければならない。
 先週から自動車の使用制限も決まり、ナンバープレート末尾の数字が奇数か偶数かにより走行可能な曜日が異なる等々。

 全ては新型コロナ感染拡大による医療崩壊を、最小限に押さえるための措置である。それは分かっているが、1ヶ月半に渡る強制的籠城生活、本音は「もう疲れた」。

 最近では Quedate en casa ( Stay home )と言われると、反射的に「うるさい」と言ってしまいそうだ(笑)。

 政治家は「後2ヵ月は外出制限が必要だ」と正論(?)を振りかざすが、穿った見方をすれば、連中の給料は毎月定期的に振り込まれるので、何の心配もない訳だ。
 しかし経済的補償が無い自営業者や民間勤労者に「更に2ヵ月家に籠れ」と言うのは、流石に無責任であろう。これではコロナで死ななくても、飢えか暴動で死にそうである(泣)。


 さて当院も先月から開店休業状態が続いていたのだが、今週に入ってから患者さんがポツンポツンと来るようになった。

 まだ外出制限は解除されていないが、「背に腹は変えられない」ということだろうと思う。仮にぎっくり腰となり、それでも家に籠っていなければいけない、というのは考えてみれば酷な話だ。

 
 そう言えば1ヶ月前は、皆が疑心暗鬼に襲われ、もっとピリピリした雰囲気が其処此処にあったが、今はそれほどでもない感じがする。
 落ち着きを取り戻したと言うべきか、それとも新しく変わってしまった社会のシステムに、少しずつ馴染んできたのだろうか。
 確かに感染拡大はまだ収まってはいないが、ずっと弓の弦を張りっぱなしでも、人間もたないのである。

 
 ということで、小生これからはお上を当てにせずに、もっと自分の良識に従って行動しようと決めました。

 よく考えてみれば
 「手洗いを頻繁に行う」 
 「咳をしていればマスクをする」
 「患者と患者の接近を避ける為、治療の時間差を設ける」
 「治療所に入る時は靴を脱ぐ」
 これらは25年前に開業したときから、常に実践してきたことではないか。
 
 空を見上げると
 「もっと己に自信を持って生きていけ。闇雲に怖がるな。なるようになるから。八幡太郎」と、呼び掛けられているような気もする。

 アスンシオンの街も交通量がぐんと減り、空気が見違えるほど綺麗になった。朝の腹式呼吸も心地好くなりました(笑)。